地域と人々のために
福岡県の中部・篠栗町の主要道路沿いにある福岡篠栗モーター株式会社。地元の方々なら車に乗らない人にも知られている地域の有名店です。昭和42年に先代社長が創業して以来、半世紀近くも地域のモータリゼーションを支え続けてきました。「先代の時代から下請けからの脱却を進めてきて、今では80%を超える受注が個人のユーザー様からになります」と、代表取締役の井上健二さん。現在は新車・中古車の販売から保険、車検、一般整備、車体整備、そして車輌買取までと車のことならすべてを任せられるワンストップタイプのショップとなっています。商圏も篠栗町を中心に近辺の市町村までと守備範囲を広げ、整備関連での入庫だけを数えても月間処理台数400台ほどの繁盛店。「強く地域に密着した経営を行っていますので、ひとつのミスが大きく信用を損ねます。お客様中心の考え方と誠実で有り続けることを何よりも念頭に置いています」と井上社長。その姿勢は着実に実を結び、この4月には捌ききれなくなった入庫車両のために第2工場を新設したほどです。
高潔な「人格」を持った企業法人
礼儀正しく親切なスタッフ、広々と明るい店内フロア、さまざまなメディアを活用した情報提供、ファミリーで来店しても楽しめる仕掛け…。繁盛店に共通するセオリー通り、同社には訪れた誰にとっても心地よい空間が生まれています。その秘訣をお伺いすると「どちらかというと家庭的な企業の在り方の方が私には合っているのでしょう。良い意味での競争は絶対に必要だと思いますが、お互いの足りない部分は従業員同士、会社全体でカバーし合えばそれで良しだと思います。以前はCS(顧客満足)が叫ばれていましたが、今はそれにES(従業員満足)をプラスした考え方が生まれてきましたね。当社に関わるすべての人が満足した上で、少しでも利益を出し、それをまた地域に還元していきたいです」とのこと。すでに地元では必要不可欠な存在である同社には一日中ひっきりなしに来店者が訪れています。忙しく駆け回る中でも穏やかな風貌を崩さない井上健二氏と従業員の方々を見ていると、同社には「人格」や「個性」などを持った人間性を感じます。ビジネスモデルとしての理想型にある福岡篠栗モーター株式会社がこれからどんな風に成長を続けていくのか注目し続けたいと感じました。